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配当データの落とし穴

配当の履歴は、株式分割・予想と実績・年間と期ごとの行が混ざっていて、そのまま足し算すると数字を誤ります。このページでは、ZENITH Code が配当をどう数えるかと、データを扱うときの注意点を説明します。

event実例の数値は 2026 年 10 月 23 日 時点の API の応答から取っています。財務・配当のデータは毎日 16:30(TDnet)と 19:00(EDINET)を基準に更新します(日本時間)。

このページで分かること

  • check_circle配当は分割調整後の amount と、調整前の rawAmount の 2 つで返ります。長期の比較には amount を使います。
  • check_circle予想と実績は forecastOrActual で分かれます。年間の行と期ごとの行を足すと二重計上になります。
  • check_circle連続増配と連続非減配は、期末が来た年の年間配当(分割調整後)から数えます。無配の年でリセットされます。

なぜ配当データは間違えやすいのか

配当の 1 株当たりの金額は、株式分割のたびに意味が変わります。1 株を 5 株に分けると、同じ配当総額でも 1 株当たりは 5 分の 1 になります。

さらに配当の行には、会社の予想と確定した実績、中間・期末などの期ごとの行と年間の合計の行があります。これらを区別せずに集計すると、増配・減配の判定がずれます。

分割調整後と調整前

dividends の amount は分割調整後、rawAmount は調整前(発表時点の 1 株当たり)の配当です。調整済みの値が無い行は、amount に調整前の値が入ります。

過去の推移や増配率を見るときは amount を使います。当時の受取額を確かめたいときは rawAmount を使います。

分割の履歴は splits で取れます。トヨタ自動車は 2021 年 9 月 29 日を権利落ち日として、1 株を 5 株に分割しました(効力発生は 2021 年 10 月 1 日)。

予想と実績、年間と期ごとの行

配当の行は、予想か実績かと、どの期間の配当かの 2 つの軸で分かれます。

項目意味
forecastOrActualforecast = 会社の予想、actual = 実績
dividendTypeannual = 年間の合計の行。それ以外は中間・期末などの期ごとの行
periodEndDate権利確定の基準日(期末)
exDividendDate権利落ち日
announcementDate発表日時
warning

年間配当の二重計上に注意

同じ期末に、年間の行(dividendType が annual)と期ごとの行が両方あることがあります。ZENITH Code の年間配当は、年間の行が 0 より大きければそれを使い、無ければ期ごとの実績と予想を合計します。年間の行と期ごとの行は足しません。

増配・減配の検知と出典

dividend-changes は、決算短信などの適時開示から検知した増配・減配を返します。変更前と変更後の年間配当、検知日、出典の書類 ID(sourceDocId)が付きます。

銘柄を省略すると、市場全体から期間を指定して探せます。changeFlag=decrease で減配だけに絞れます。

コード例
curl -sG "https://api.zenithcode.net/stable/dividend-changes" \
  --data-urlencode "from=2026-09-01" \
  --data-urlencode "to=2026-09-30" \
  --data-urlencode "changeFlag=decrease" \
  -H "x-api-key: YOUR_API_KEY"
info

このエンドポイントの changeRate(変動率)と利回りも、ほかのエンドポイントと同じく 0〜1 の小数で返ります(例: 0.246 = 24.6%)。画面に出すときは 100 倍して % にします。

ZENITH Code はこう数える: 連続増配・連続非減配

dividend-streaks は、連続増配と連続非減配の年数を返します。数え方は次のとおりです。

  • 期末が来た決算期の年間配当(1 株当たり・分割調整後)を並べた系列から数えます。期末が来ていない期は会社予想にすぎないので含めません。
  • 連続増配 は、前の期より厳密に増えた年が続いた回数です。
  • 連続非減配 は、増配または据え置きが続いた回数です。据え置きの年は、連続増配は途切れますが、連続非減配は続きます。
  • 無配(0 円)の年も系列に残します。無配になるとそこで年数がリセットされます。直近が無配なら連続非減配は 0 です。
  • 暦年が飛んでいる(データが欠けている)年は gap とし、そこで数えるのを止めます。
  • 決算短信に載る累進配当の年数(reportedNonDecreaseYears)とも照合し、一致するかを matchesReported で示します。

実例: トヨタ自動車(7203)

トヨタ自動車は、2026 年 3 月期までで連続増配 6 年、連続非減配 13 年です。短信に載る年数(13 年)とも一致しています(matchesReported が true)。

ただし 13 年には capped: true が付いています。配当データを遡れる最古の年(2013 年)で打ち切った値で、実際はもっと長い可能性があります。

2027 年 3 月期の配当は、年間 100 円の予想(forecast)が 2026 年 5 月 8 日に発表されています。

決算期年間配当(円)前期比(円)前期比数え方(`basis`)
2026 年 3 月期95+5+5.56%annual-row
2025 年 3 月期90+15+20.00%annual-row
2024 年 3 月期75+15+25.00%annual-row
2023 年 3 月期60+8+15.38%annual-row
2022 年 3 月期52+4+8.33%sum-of-periods

分割調整後の 1 株当たり配当。annual-row は年間の行をそのまま採用、sum-of-periods は中間・期末の合算。出典: /stable/dividend-streaks?symbol=7203(2026 年 10 月 23 日 時点)。

コード例
curl -sG "https://api.zenithcode.net/stable/dividend-streaks" \
  --data-urlencode "symbol=7203" \
  -H "x-api-key: YOUR_API_KEY"

権利落ち日

権利落ち日は、その日以降に買っても、その期の配当を受け取れなくなる日です。通常は権利確定日(期末)の 1 営業日前です。

dividends-calendar で、市場全体の権利落ち日を期間(最大 93 日)を指定して取れます。過去分と今後の予定のどちらも対象です。

注意点

  • 記念配当・特別配当: 普通配当と分けて返す項目は、今の応答にはありません。一時的な配当が含まれる年は、翌年が減配に見えることがあります。
  • ETF・REIT: 連続年数の数え方は普通株(決算期ごと)向けです。ETF・REIT は元データが暦年の規則で数えているため、matchesReported が一致しないことがあります。
  • 分割をまたぐ比較: rawAmount を並べると、分割の年に減配したように見えます。推移には amount を使ってください。
  • 履歴の長さ: 遡れる範囲は銘柄によって違います。例として、三菱商事(8058)の配当は 2013 年 3 月期から 41 件あり、連続増配は 10 年です。

よくある質問

投資家・開発者向け

分割前の配当が小さく表示されるのはなぜですか?
amount は分割調整後の値だからです。今の株数の基準にそろえているので、増配・減配を正しく比べられます。当時の 1 株当たりの金額は rawAmount で確かめられます。
連続増配と連続非減配の違いは何ですか?
連続増配は毎年増やし続けた年数、連続非減配は増配か据え置きで減らさなかった年数です。据え置きの年があると、連続増配は途切れますが連続非減配は続きます。
記念配当を除いた配当で連続増配を数えられますか?
今の応答には、記念配当・特別配当を普通配当と分ける項目がありません。そのため、ZENITH Code の年数は記念配当を含む年間配当で数えた値です。

AI・研究者向け

AI に配当の合計を計算させるとき、何に気をつけますか?
年間の行(dividendType が annual)と期ごとの行を足さないよう指示してください。年間配当が欲しいだけなら、dividend-streaks の years[].annualDividend を使うと確実です。
増配の判定の出典は確かめられますか?
はい。dividend-changes の各行に、検知した開示の書類 ID(sourceDocId)と発表日時が付きます。
連続年数が実際より短い可能性はありますか?
あります。reportedHistory の capped が true の年数は、配当データを遡れる範囲の上限で打ち切った値です。seriesOldestYear が系列の最古の年です。
gavel

免責事項

この記事は、データの仕組みと API の使い方を説明するものです。特定の銘柄の売買を勧めるものではなく、投資助言ではありません。実例の数値は記事の作成時点の応答で、その後の開示や訂正で変わることがあります。投資の判断はご自身の責任で行ってください。