無料でAPIキー取得

How it works

株主優待と配当政策のデータの作り方

会社ごとに書き方がまったく違う「優待の条件」と「配当の方針」を、公式資料から集め、原文と照らし合わせてから公開しています。どこが難しく、どう確かめているかを、数字と経緯つきで説明します。

このページで分かること

  • check_circle株主優待を「基準月 × 株数 × 保有年数」の条件ごとに、版の履歴つきで記録する仕組み。
  • check_circle配当政策を配当性向・DOE・下限などに分けて構造化し、原文と照合してから公開する手順。
  • check_circle難しいところ、判断の決まり、データの読み方、API での提供状況。

件数は 2026 年 10 月 20 日時点の集計です。

1,646優待データの掲載社数(2026 年 10 月 19 日時点)
11,498優待の条件(基準月×株数×保有年数)
15,491優待の品目
3,751配当政策を公開している会社

件数は 2026 年 10 月 20 日時点の集計です(掲載社数は 2026 年 10 月 19 日 の一覧のもの)。掲載社数は、優待制度を持つ会社全体に対する網羅率ではありません。一覧に無い会社が「優待なし」とは限りません。

1. なぜ大事で、なぜ良いデータが少ないのか

株主優待と配当政策は、個人投資家が銘柄を調べるときによく見る情報です。それなのに、表として正しく扱えるデータはあまりありません。

知りたいのは「条件」

優待で知りたいのは「何がもらえるか」だけではなく、「何月に、何株以上を、何年以上持っていれば、何がもらえるか」です。名前だけのデータでは、この条件が分かりません。

方針は文章で書かれている

配当政策は、有価証券報告書(有報)などに文章で書かれています。方針は数字 1 つとは限りません。下限・目安・複数の指標の組み合わせが、文章の中に入っています。

変わるのに、履歴が残らない

優待も配当政策も、新設・変更・廃止が開示で知らされます。最新の内容だけを持つデータでは、いつから何が変わったのかを追えません。

2. 株主優待

優待は、会社が書いた条件どおりに、4 つの層に分けて記録しています。

account_treeデータの形: 制度 → 版 → 条件 → 品目

1 つの会社の優待を「制度」とし、内容が変わるたびに新しい「版」を作ります。版の中に「条件」の行があり、条件ごとに「品目」がつながります。条件の 1 行は「この基準月(権利確定の基準となる月)に、この株数以上、この保有年数以上の株主」という意味です。

  1. folder_open制度1,878

    会社の優待のまとまり。1 社に複数の制度があることもあります。

  2. history版3,050

    ある日から有効な優待の内容。現行・予定・過去・廃止を区別し、過去の版も履歴として残します。

  3. tune条件11,498

    基準月 × 最低株数 × 最低保有年数の 1 行。長期保有の上乗せもここで表します。

  4. redeem品目15,491

    条件ごとにもらえるもの。金額は会社が書いている場合だけ記録します。

右上の数字は 2026 年 10 月 20 日時点の件数です。制度は 1,679 社ぶんあります。

table_rows条件の例(説明用の架空の会社)

たとえば、ある会社の優待が次のように書かれていた場合、条件は 3 行になります。同じ 100 株でも、3 年以上持っている株主には別の行が当たります。

基準月最低株数最低保有年数品目
3 月100 株以上条件なし自社製品の詰め合わせ(会社の記載: 1,000 円相当)
3 月100 株以上3 年以上自社製品の詰め合わせ(会社の記載: 2,000 円相当)
9 月500 株以上条件なし自社店舗の割引券 5 枚(金額の記載なし → 空欄)

この表は説明のための架空の例で、実在の会社の優待ではありません。

bar_chart規模

2026 年 10 月 20 日時点で、制度 1,878 件(1,679 社)、版 3,050 件、条件 11,498 行、品目 15,491 件を記録しています。照合を終えた版は、現行 1,625 件・予定 232 件・過去 1,185 件・廃止 7 件です。公開中の一覧には 1,646 社が載っています(2026 年 10 月 19 日時点)。内訳は、現行の優待がある会社 1,491 社と、予定の版だけがある会社 155 社です。また、優待が無いと公式資料で確かめた 86 社を「優待なし(確定)」として記録しています。

psychology_altなぜ難しいか

書式が会社ごとに違う

株数 × 保有年数の表、「100 株につき 3 枚」のような式、品目を選ぶ選択式、長期保有で品目が増える上乗せが、会社ごとに違う形で混ざっています。

保有期間の条件が多い

条件の行の約 51% に保有年数の条件があります。「N 年以上」「N 回連続で株主名簿に記載」「同じ株主番号で継続」は別々の条件なので、互いに換算せず、書かれた形で記録します。

変更・廃止は開示で起きる

優待の新設・変更・廃止は、適時開示(TDnet)などで知らされます。お知らせのたびに新しい版を作り、前の版は履歴として残します。

基準日をまたぐと「現行」が変わる

変更が発表されても、すぐに適用されるとは限りません。基準日の前後で、どの版が「現行」でどの版が「予定」かが入れ替わります。

gavel判断の決まり

迷いやすいところは、先に決まりを作り、すべての会社に同じように当てはめています。

  • check_circle自社の店舗やサービスの割引率だけの優待も、優待として扱います。
  • check_circle公式資料に優待の詳細が載っていない会社は「優待なし(詳細非公表)」として扱います。外部のサイトにしか無い内容は採りません。
  • check_circle抽選でしか受け取れないものは、優待として入れません。
  • check_circle保有期間の条件は、書かれた形(年数・連続記載の回数・株主番号の継続)のまま記録し、互いに換算しません。
  • check_circle金額は会社が書いたものだけを記録します。書かれていない品の金額は推定せず、空欄にします。

conveyor_belt集め方と確かめ方

情報源は、会社自身が出した資料だけです。

  • 適時開示(優待の新設・変更・廃止)
  • 有報の「株主に対する特典」
  • 会社の IR ページ
  1. 1

    毎朝、新しい開示を拾う

    毎朝 5:30(日本時間)に、自動の処理が新しい開示を集めます。

  2. 2

    生成 AI が下書きを作る

    開示の本文から、版・条件・品目の下書きと、根拠になる原文の引用を作ります。下書きはまだ公開用のデータには書き込みません。

  3. 3

    機械で検査する

    引用が原文の中にそのまま連続して実在するか、株数・保有年数の境界が合っているか、品目と条件の対応が取れているかを機械で確かめます。

  4. 4

    原文と照らし合わせる

    人または AI エージェントが原文と照らし、現行かどうか・基準日・株数・保有期間・条件と品目の対応・選択式や上乗せ・漏れが無いか、の 7 項目を確かめて記録を付けます。

  5. 5

    記録がそろった版だけ公開

    7 項目の記録がそろった版だけを公開します。判断が付かず保留になった版は公開しません。

compare_arrows

週に 1 回、外部の情報と突き合わせる

週に 1 回、外部の優待情報サイトと機械で突き合わせ、当社に無い会社や内容の食い違いを見つけて、1 社ずつ原文で確かめ直します。外部のサイトは二次資料なので、突き合わせの結果で当社のデータを書き換えることはしません。漏れや誤りを探すための点検です。

3. 配当政策

配当政策は、会社が書いた方針の文章を、指標・数値・条件に分けて構造化し、根拠の原文を添えて公開しています。

bar_chart規模

2026 年 10 月 20 日時点で、現行の配当政策を API で取れる会社(上場中の会社)は 3,751 社です。そのうち数値の目標や下限を持つ会社は、種類ごとに次のとおりです。

種類意味会社数
配当性向利益のうち配当に回す割合の目標や下限。1,172
DOE(株主資本配当率)株主資本に対する配当の割合。利益が振れても配当が大きく動きにくい指標。433
総還元性向配当に自社株買いを足した還元の割合。配当性向とは別の指標として扱います。205
累進配当(明示)「減配せず、維持または増配する」と明記している方針。304
下限の金額「1 株あたり年 ◯ 円を下限とする」のような金額の下限。181
複合条件「配当性向 ◯% または DOE ◯% のいずれか高い方」のように、複数の指標を組み合わせた方針。97

1 社が複数の種類に当てはまることがあるので、合計は社数になりません。残りは「安定的な配当を続ける」「内部留保を優先する」など、文章だけの方針です。

psychology_altなぜ難しいか

1 つの文に新旧が同居する

同じ文の中に、これまでの方針・今期の実績・来期からの新しい方針が並んでいることがよくあります。どれが「いまの方針」かを読み分けます。

「下限」と「目標」を区別する

「下限」「下限の目安」「目標」は意味が違います。書かれた強さのまま記録し、強めて書き換えません。

「増配に努める」は累進配当ではない

減配しないと約束していない方針を、累進配当として扱いません。累進配当は明記されている場合だけです。

総還元性向は配当性向と別

自社株買いを含む総還元性向の数値を、配当性向として扱いません。

「いずれか高い方/低い方」

「いずれか高い方」なら両方の指標を下限として、「いずれか低い方」なら両方を上限として扱います。数値 1 つに潰しません。

書いていない ≠ 方針なし

有報に数値の目標が書かれていないことは、方針が無いことを意味しません。「記載なし」と「方針なし」を区別します。

conveyor_belt作り方

出典は、有報の「配当政策」の節と、新規上場会社の適時開示です。2026 年 10 月 20 日時点で、それぞれ 21,202 版・15 版を読み込んでいます。生成 AI の下書きを原文と照合してから公開します。

  1. 1

    毎朝、変化を見つける

    毎朝 5:00(日本時間)に、有報の「配当政策」の節の文章が変わった会社を見つけます。

  2. 2

    規則で候補を拾う

    文章の中から、指標・数値・下限や目標の言い回しの候補を規則で拾います。

  3. 3

    生成 AI が下書きを作る

    候補と原文をもとに、指標・数値・条件と根拠の引用をそろえた下書きを作ります。

  4. 4

    原文と照合する

    下書きを原文と照らし、上の「なぜ難しいか」の決まりどおりになっているかを確かめます。

  5. 5

    公開前の関門

    引用には数値があるのに値が空になっている版など、形の合わない版は自動で止めます。

  6. 6

    公開

    照合と関門を通った版だけを公開します。

verified

新しい版が通るまでは、前の方針を出し続けます

有価証券報告書が新しくなっても、新しい版が照合を通るまでは、公開済みの前の方針をそのまま出します。照合が済んでいない現行・予定の版は約 1,300 版あり(2026 年 10 月 20 日時点)、済むまで公開しません。

4. 一般的なデータとの違い

優待や配当の情報でよく見かける形と、ZENITH Code が持っている形を並べました。

項目一般的なデータZENITH Code
優待の条件優待の名前と、必要な株数が 1 つ基準月 × 最低株数 × 最低保有年数の条件ごとに、品目を記録
長期保有の上乗せ注記の文章の中に書かれていることが多い保有年数を条件の列として持つ(条件の行の約 51% に保有年数の条件)
変更・廃止最新の内容だけ版ごとに適用が始まる日を持ち、予定・過去・廃止の版も残す
金額金額の出どころが分からないことがある会社が書いた金額だけ。書いていない品は空欄
配当政策配当性向の数値が 1 つ配当性向・DOE・総還元性向・累進配当・下限の金額・複合条件を分け、下限と目標を区別して、原文の引用を添える
根拠出典が示されないことがある適時開示・有価証券報告書・会社 IR の原文を根拠にし、外部サイトの内容は採らない

「一般的なデータ」は、よく見かける形を一般化したもので、特定のサービスを指すものではありません。名前と株数だけの一覧には、ひと目で見比べやすいという良さもあります。

5. ここまでの経緯

いまの形になるまで、約 1 か月で 9 回の節目がありました。作ってみて分かった問題を、その都度、手順に組み込んでいます。

  1. 2026-09-20配当政策の取り込みを始める(最初の自動処理)。
  2. 2026-09-21その時点で取り込んだ配当政策を、すべて公開する。
  3. 2026-09-25公開済みの版を原文と答え合わせした結果を受けて、公開前に原文と照合する手順を必須にする。
  4. 2026-09-28株主優待を「制度 → 版 → 条件 → 品目」の 4 層で設計し直す。
  5. 2026-10-01優待の 1 社ずつの照合と、外部の情報との週次の突き合わせを始める。
  6. 2026-10-02優待データの公開を始める。
  7. 2026-10-11優待の一覧を、日ごとの世代つきのスナップショットにする。
  8. 2026-10-16新規上場会社の適時開示から、配当政策を取り込めるようにする。
  9. 2026-10-19週次の突き合わせの不具合を直し、初めて全件で最後まで回す。

6. API で使う

ZENITH Code の API での提供状況です。

api株主優待・配当政策のエンドポイント

提供中

このページで説明した構造化データを、4 本のエンドポイントで返します。1 社の優待(/stable/shareholder-benefits)、優待の一覧(/stable/shareholder-benefits-list)、1 社の配当政策(/stable/dividend-policy)、配当政策の一覧と絞り込み(/stable/dividend-policies)です。優待は「あり・なし・未確認」を区別し、金額は会社が書いたものだけを返します。配当政策は版・適用期・複合条件をそのまま返します。比率は 0〜1 の小数です。

description有報の「配当政策」の原文

提供中

有報の「配当政策」の節の原文は、いまも /stable/text-blocks で取得できます。引数 tag に dividend-policy を指定します。構造化していない原文のテキストです。

curl "https://api.zenithcode.net/stable/text-blocks?symbol=7203&tag=dividend-policy" \
  -H "x-api-key: YOUR_API_KEY"

7. 注意点(データの読み方)

「分からない」と「無い」を混ぜないように、状態を分けて持っています。

  • check_circle優待の有無は「あり」「なし(確定)」「不明」の 3 つで持ちます。一覧に載っていない会社や「不明」の会社を、「優待なし」とは扱いません。
  • check_circle会社全体を確かめ終えたのか、一部だけなのかを区別します(2026 年 10 月 19 日 の一覧では、1,642 社が全体を確認済み、4 社が一部のみ確認)。
  • check_circle金額の空欄は「会社が金額を書いていない」という意味で、0 円ではありません。品目のうち会社が金額を書いているのは約 61% です(2026 年 10 月 20 日時点)。
  • check_circleどの版にも、適用が始まる日と、現行・予定・過去・廃止の区別があります。権利確定の前後では、予定の版もあわせて確かめてください。
  • check_circle配当政策で数値の目標が無い会社は「記載なし」です。「方針なし」ではありません。
  • check_circle新しい版が照合を待っている間は、前に公開した方針が表示されます。

8. よくある質問

投資家・開発者向け

一覧に載っていない会社は、優待が無いということですか?

いいえ。一覧に載っているのは、公式資料で優待の内容を確かめ終えた会社です(2026 年 10 月 19 日時点で 1,646 社)。これは網羅率ではなく、載っていない会社に優待が無いとは限りません。優待が無いと確かめた会社は「優待なし(確定)」として別に記録しています。

優待の金額が空欄なのはなぜですか?

会社が金額を書いていない品目だからです。金額は会社が書いたものだけを記録し、推定はしません。空欄は 0 円という意味ではありません。

優待情報サイトと内容が違うことがあるのはなぜですか?

ZENITH Code は会社自身の資料(適時開示・有価証券報告書・会社 IR)だけを根拠にしています。外部のサイトとは週に 1 回突き合わせますが、それは当社の漏れや誤りを探すためで、外部の内容でデータを書き換えることはしません。食い違いが見つかった会社は、原文で確かめ直します。

長期保有の優遇はどう表されていますか?

条件の 1 行が「基準月 × 最低株数 × 最低保有年数」になっていて、保有年数ごとに別の行として記録します。「N 年以上」「N 回連続で株主名簿に記載」などは書かれた形のまま記録し、互いに換算しません。

どのくらいの頻度で更新されますか?

新しい開示は毎朝、自動で拾います(優待は 5:30、配当政策は 5:00。日本時間)。ただし、原文との照合を終えた版から公開します。そのため、開示から公開までに時間がかかることがあります。

API で取得できますか?

はい。株主優待は /stable/shareholder-benefits(1 社)と /stable/shareholder-benefits-list(一覧)、配当政策は /stable/dividend-policy(1 社)と /stable/dividend-policies(一覧)で取得できます。有報の「配当政策」の節の原文も /stable/text-blocks(引数 tag=dividend-policy)で取得できます。

AI・研究者向け

配当政策は AI が判定しているのですか?

生成 AI は下書きを作る段階で使っています。下書きは原文と照合し、公開前の関門を通ったものだけを公開します。照合が済んでいない版は公開しません。

分析や機械学習に使うとき、「不明」と「なし」はどう扱えばよいですか?

優待の有無は「あり」「なし(確定)」「不明」の 3 つです。「不明」や一覧に無い会社を「なし」と数えると、優待のある会社の割合を低く見積もります。配当政策でも、「記載なし」は「方針なし」と同じではありません。

ある時点の内容を再現できますか?

優待の版には、適用が始まる日と、現行・予定・過去・廃止の区別があります。過去の版も履歴として残しているので、ある日にどの版が有効だったかを追えます。

このページの件数は、優待は 2026 年 10 月 20 日(一覧の掲載社数は 2026 年 10 月 19 日)、配当政策は 2026 年 10 月 20 日時点の集計です。優待の内容や配当の方針は、会社の判断で変更・廃止されることがあります。最新の内容は必ず各社の開示資料でご確認ください。データの正確性・完全性・適時性は保証されません。このページは投資の勧誘や助言を目的としたものではなく、投資の判断はご自身の責任で行ってください(利用規約)。