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TDnet解析ガイド:XBRLの数字を使うまでに確認すること
このページで分かること
- check_circle取得する会社・書類・期間・範囲・単位を先に決めます。
- check_circle数値から項目の定義、コンテキスト、ユニットをたどります。
- check_circle訂正の内容を確認し、目的に合うAPIと入門連載へ進みます。
まず、取得したい情報を一文にする
最初に仕組みを学びたい方には入門連載、既に目的が決まっている方にはAPIドキュメントを案内します。基礎の手順を整理したページで、全社対応の解析器を実装する手順ではありません。
「売上高が欲しい」だけでは、複数の候補が残ります。「対象会社の、当期1年間の、連結売上高の実績が欲しい」と書くと、選ぶための条件が見えてきます。
例えば、架空の青葉製作所について、当期実績100億円と次期予想110億円が見つかったとします。数字はどちらも売上高ですが、目的が当期実績なら100億円を選びます。110億円が新しい見通しでも、実績を置き換える値ではありません。
| 決める条件 | 書き出す例 | 混ぜたくないもの |
|---|---|---|
| 会社 | 青葉製作所 | 同名に似た別会社 |
| 書類 | 当期の決算短信 | 予想修正や説明資料 |
| 期間 | 2025年4月〜2026年3月 | 半年間の累計 |
| 範囲 | 連結 | 個別や特定事業 |
| 区分 | 実績 | 翌期の予想 |
| 単位 | 円 | 表示用の百万円 |
上の会社・日付・金額は説明用の架空例です。条件を書き出せない段階なら、先に決算短信の表題と見出しを確認します。APIを使う場合にも、この一文を用意しておくと引数や応答の読み間違いを減らせます。
TDnetと決算短信、XBRLの役割を分ける
TDnetは適時開示情報を伝える仕組みで、決算短信はそこで扱われる書類の一つです。XBRLは、報告内容を機械で扱えるように項目や条件を結び付ける形式です。「サイト」「書類」「データ形式」を分けて考えると整理しやすくなります。JPX:TDnet
PDFは人がレイアウトに沿って読むのに適しています。XBRLでは数値と条件を参照できます。ただし、PDFがあることと、欲しい内容がXBRLでタグ付けされていることは別です。対象範囲はJPXのXBRL仕様一覧で確認します。
EDINETの有価証券報告書は、事業やリスク、詳しい財務情報を読む際のもう一つの入口です。二つの仕組みの比較は、既存のTDnetとEDINETの違いで確認できます。
数値からコンテキストと単位をたどる
XBRLの一つの数値には、その意味を確認する参照先があります。コンテキストは対象や期間などの条件、ユニットは単位の定義です。タグ名だけで選ばず、参照先の内容を読みます。
数値に結び付いた、三つの参照先
参照元:XBRLのファクト(数値)
タグ名 / name
項目の定義
名前空間と要素名を確認する
contextRef → context
対象・期間・範囲
参照先の期間、軸とメンバーを読む
unitRef → unit
数値の単位
measure、必要なら分子・分母を読む
| 確認するもの | 最初に探す文字 | 参照先で読むもの |
|---|---|---|
| 項目 | タグ名、Inline XBRLなら name | 名前空間と項目の定義 |
| コンテキスト | contextRef | 対象、期間、軸とメンバー |
| 単位 | unitRef | measure、必要なら分子・分母 |
| 数値の解釈 | 形式に応じた属性 | scale、sign、format、nil など |
例えば「四半期の値」と説明されていても、年度の開始から第2四半期末までの累計か、直近3か月の単独期間かは別です。タグの名前だけで判断せず、コンテキストの日付と資料の見出しを確認します。
数値を取り出した後にも、元の文字列、解釈した数値、表示単位を分けると確認しやすくなります。円から億円へ換算するのは表示の工程です。既に円へ戻した値を、もう一度百万円から円へ換算しないようにします。
訂正を見つけたら「何が変わったか」を調べる
新しい資料が見つかっても、古い数値を全て上書きしてよいとは限りません。予想の見直し、表題などの情報の訂正、財務数値の訂正は、別々に確認します。
TDnet APIの公開仕様では、開示番号、開示履歴番号、取扱属性が区別されています。これらは開示情報と履歴を調べる材料です。属性に訂正を表す値があるだけで、XBRL内の売上高まで変わったとは判断できません。JPX:TDnet API接続仕様書
| 見つかった変更 | 読む内容 | 記録したいこと |
|---|---|---|
| 次期予想の見直し | 対象年度と新しい予想 | 発表時点ごとの見通し |
| 表題などの訂正 | 変更項目と履歴 | 元情報と後続情報の関係 |
| 過去の決算資料の訂正 | 元資料と訂正箇所 | どの数値・期間に影響したか |
今日の最新値を表示する画面と、過去のある日に利用できた情報を再現する分析では、必要な記録が違います。後者はpoint-in-timeの考え方を先に確認してください。後から判明した修正を、過去にも知っていた情報として混ぜないためです。
目的に合ったデータの形を選ぶ
自分でXBRLファイルを読む方法に加え、ZENITH Codeで構造化されたデータを取得する方法があります。標準化済みの主要項目と、開示書類の科目の階層は用途が違います。
financial-facts は有価証券報告書のXBRLデータを調べる入口です。TDnetの全ての書類をそのまま返すAPIとして選ばないようにします。対象書類は各エンドポイントの説明を確認してください。
このページは選び方の案内なので、実企業の値やAPI応答を例示していません。データを取得する段階では、ドキュメントの引数と応答を確認し、まず一社・一期・一項目で元の意味を説明できるか確かめます。
入門連載で、手を動かして確認する
以下は株式会社CrabgrassがQiitaで公開している連載です。概要からタグの確認へ順に進めます。
コードを動かす前に、「どのファイルを開き、何という文字を検索するか」を確認したい場合はTDnet解析②が入口になります。
次に読む
私たち株式会社Crabgrassは、財務データAPI「ZENITH Code」を開発・提供しています。本記事は情報の読み方を説明するもので、特定の金融商品の売買を勧めるものではありません。
よくある質問
投資家・開発者向け
- TDnetのPDFなら、必ず同じ内容をXBRLで取得できますか?
- 同じ範囲を取得できるとは限りません。欲しい項目が対象書類のXBRLにあるかを先に確認します。PDFの図や説明文の全てが一つの数値タグになっているとは考えないようにします。
- 四半期累計から単独期間を引き算してもよいですか?
- 同じ年度・範囲・基準などの条件を確認してから考えます。訂正や対象期間の変更がある場合は単純な差分が適切とは限りません。累計と四半期単独の解説を参照してください。
AI・研究者向け
- AIにタグ名を選ばせれば、期間の確認は省略できますか?
- 省略できません。項目の候補を探すことと、目的の期間・範囲の値を選ぶことは別です。AIが選んだ場合も、出典、参照した条件、採用理由を確認できる形にします。
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免責事項
この記事は、データの仕組みと API の使い方を説明するものです。特定の銘柄の売買を勧めるものではなく、投資助言ではありません。実例の数値は記事の作成時点の応答で、その後の開示や訂正で変わることがあります。投資の判断はご自身の責任で行ってください。

